地震に遭遇した場合に取るべき行動 ~在宅編~
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地震発生時には何はさておき火元の確認。と、いうのは今となっては時代遅れの知識です。取り巻く環境の変化や多くの地震経験を経て、行動指針はアップデートされ続けています。
ここでは在宅時に地震に遭遇した場合に取るべき行動を説明します。
大きな揺れを感じたら第一に身の安全確保を!
ガスコンロやストーブなどの使用中に大きな揺れを感じたら、多少無理をしてでも火の始末が最優先である。と学んだ覚えがある方もいるのではないでしょうか?
たしかに関東大震災では地震そのものよりもその後に発生した火災による被害が圧倒的に甚大であったことからも、火災予防が重要であることは間違いありません。
しかしながら、現在では建築物の耐火性が向上し、延焼を防ぐ街づくりも進められています。また、ガスコンロやストーブには揺れや転倒を検知して自動的に消火する機能が備えられるなど、安全対策が進められています。
その結果、火の始末が最優先という考えは近年改められ、身の安全確保を優先することが推奨されるようになってきています。地震発生時にはまずはご自身の、あるいは、お子様の身の安全確保を第一に行動しましょう。
行動を起こすのは揺れが収まってから
不測の事態が起きる可能性があるなかでの行動は大変危険です。
家具が転倒して下敷きになってしまった。散乱したワレモノを踏みつけてしまった。例えちょっとしたケガだとしてもその後の活動が大きく制限されてしまい、結果的に大事に至るかもしれません。
行動を起こすのは完全に揺れが収まってからが鉄則です。
実際に地震に遭遇した際に平静でいることは難しいことかもしれません。パニックに陥らないためには避難訓練などを通じて事前にシミュレーションをしておくことがとても有効です。
火元の確認
揺れが収まり周囲の状況が把握できたならば、ガスコンロ、ストーブなど、火を扱う製品から出火することがないように状態を確認をします。
万が一何かに燃え移ってしまった場合、火が大きく燃え広がる前に素早く消火しなければなりません。
消火器やそれに準ずるものが手元にあればベストですが、なければ座布団で叩いたり、水に濡らしたシーツなどで火元を覆うことで消火が可能な場合があります。
すでに炎が燃え広がり始めてしまっていたら個人で対応するのは至難の業です。早急に119番に連絡しましょう。また、大きな声で近所に火災を知らせ、窓やドアを閉めて空気を遮断することで燃焼を少しでも遅らせるなど、適切な対処を取りましょう。
逃げ道を確保
大きな揺れは一度きりとは限りません。実際に2016年に発生した熊本地震では震度7の地震が2度起きています。はじめの揺れで何事もなかったとしても油断せず次に備えましょう。
転倒した家具やワレモノが飛散して通路がふさがれてしまう。あるいは、建物が歪んでしまいドアが開かなくなってしまうことがあります。火元の確認を終えて自宅内の安全がある程度確保できた後は、家具や飛散したワレモノを片付けてドアや窓を開けた状態にするなど、次の揺れに備えて避難経路を少なくとも1つは確保します。
なお、片付けの際にはガラス片や陶器片をで怪我をしないように、底がしっかりとした履き物を履き、軍手を装着してください。
情報収集
自宅の安全を確保できたならば、テレビ、ラジオなどからの情報収集を行いましょう。また、同時に自宅外の様子、特に火災が起きていないかを確認しましょう。
なお、インターネットやSNSからの情報は真偽に注意が必要です。むやみに噂を信じず、自治体のウェブサイトなど信頼できる場所で情報を確認する必要があります。
被災と同時に停電が発生した場合、家庭用電源を前提としたテレビなどは使用不能となります。こうしたときに非常に頼りになるのが防災ラジオです。
防災ラジオには手回し発電機が付いており、発電した電力でラジオを聞くことができます。また、大抵の製品にはUSBポートがあり、スマートフォンや携帯電話の充電が可能です。その外にも懐中電灯として使用できたり、緊急時には非常に頼りになることは間違いないので少なくとも1つ、自動車があれば車内にも1つ用意しておくことをおすすめします。
助け合い
家屋の倒壊などが見られるほど規模が大きい地震が発生した場合は、機を見てご近所さんと互いに安否確認をしましょう。また、自宅およびご家族の安否が確認でき、余裕があるのであれば自治会の集会所を訪問し、自身にできることはないか確認するなど積極的に行動しましょう。
なお、地震により停電が発生した場合は通電時の火災を防止するため外出の際はブレーカーを落とし、ガスの元栓を閉めておきましょう。